子ども靴のお手入れについて

 

たびたびブログにて紹介させていただいているのですが、私たちが取り扱っている子ども靴はDäumling(ダウムリング)やFRODDO(フロッド)をはじめとして、多くの靴が革製です。

日本では革靴そのものに馴染みがないため、洗い方について質問されることが多いのですが、ズバリ結論から言わせてください。

 

「よっぽどひどい汚れ方をしないかぎり洗う必要はありません!」

 

以上!と言いたいところですが、お手入れの方法を説明せずにBLOGを終えるわけにはいかないので、もう少しお付き合いください。前半でお手入れの方法を、後半では私たちが洗う必要がないとお伝えしている理由を説明させてください。

 

【お手入れの方法】

1.普段はブラシで払うか、濡れた布巾を硬く絞って拭くぐらいにする

2.もし洗うなら、中敷きは外して靴の内部は濡らさないようする

3.洗いすぎと付け置き洗いは避ける

4.必要があれば、デリケートなナチュラルレザー用の保湿クリームを薄く塗る

 

先ほど書いたお手入れ方法の中で一番気を付けて頂きたいのが「靴の内部を濡らさない」という点です。

 

当店で取り扱っている靴は子どもの汗を吸うよう内側が非常に吸湿性が良く作られています。

そのため、洗う際に内側まで完全に水につかってしまうとなかなか乾かない、さらには革製なので上手く乾かさないと履き心地が悪くなるという特徴があります。

 

どれくらい乾きづらいかというと、完全に水に漬かってしまうと1週間ぐらいかけて乾かさない限り乾きません。一見すると乾いているように見えるかもしれませんが、内部が湿ったままとなってしまうのです。

その状態で靴を履いてしまうと、靴の型崩れの原因となります。また、付け置き洗いも同じように型崩れや底が剥がれる原因になってしまいます。

 

では乾燥機やドライヤーでしっかり乾かせば問題ないと思われるかもしれませんがそちらもあまりもおすすめしません。

なぜかというと、革は油分と水分のバランスでそのしなやかさを保っているため、直射日光に当てたり、ドライヤーや乾燥機などで急激に乾かしてしまうと乾きすぎて革が硬くなってしまうのです。

革が硬くなると、履いた時の感触が悪くなるので、雨で濡れた場合はまずはタオルなどで拭いてから陰干しをおすすめしています。

 

当店では靴の専門店として子どもの足に合った靴を提供すること、子どもの足の環境を良くすることを心がけているため、「汚れを気にしすぎて洗いすぎることはかえって靴の良さをそこねてしまうため良くない」と考えています。

靴を洗った際、「綺麗になる」というメリット以上に型崩れや履いた感触が悪くなるかもしれないデメリットの方が大きくなってしまうため、私たちは 「靴を洗う必要はありません」とお伝えしています。

 

そうは言っても、「洗わなければ不衛生なのでは?」と思う方もいるかもしれません。

ここで少し、FRODDOの箱の中にあるお手入れ方法について紹介させてください。

靴の箱の中にある説明文の写真

全文はBLOGの最後に載せておきますが、

●高品質なナチュラルレザーを使っている

●ブラシや湿った布でお手入れを。もし必要ならナチュラルなクリームで保湿をするように

●マシーンや手洗い は非推奨

といったことが書かれています。これはFRODDOに限らずどの子供靴でも共通しています。

 

このように、メーカーは本当にきちんとした素材(*1)を使っているから洗わなくても良いと考えています。

(*1)ブランドごとに表現は違いますが、通気性がある、アンチバクテリア、アンチクロム、アンチアレルギーといった、洗わなくても衛生環境が保てる素材を使っているので洗う必要がないと考えています。

 

洗うのが非推奨なのは、ひょっとしてヨーロッパでは石畳だし梅雨もないし、子どもの靴も大して汚れないからのでは?と思われるかもしれませんが実はドイツはじめヨーロッパは保育園や小学校では積極的に自然環境の中で遊ばせようという野外教育のような教育が盛んで、靴もどろどろに汚れます。

 

ですがヨーロッパでは子どもは半年間しか履けないから汚れを気にせずしっかり履かせる、また、子どもの足の環境を考えて、汚れをあらかじめケミカルな防水スプレーで防止するよりはナチュラルな素材を選ぶという考え方なのです。

 

ここまで読んで「防水じゃない革の靴はやっぱり洗わない方がいいんじゃないか?最初と話が違うのでは?」と考えた方、鋭い!

 

確かに洗わない方がトラブルは起きないし、洗わなくてもまったく問題ないのですが、日本は学校での上履きを洗う教育の延長で靴も洗おう、綺麗にしようという意識があるので、私たちは汚れが気になる時はやりすぎなければ洗っても問題ないと伝えているのです。

 

先ほど書いたように靴がどろどろになっても壊れないぐらいしっかりした靴なので、汚れが気になる時は洗っちゃってください。(しつこいようですが、付け置き洗いと洗いすぎはNGです!)

 

また、中の汚れが気になる時は靴の履き方を見直すのも大切です。

細かい砂ではなく、「泥で靴の中が汚れる」というのはもしかしたら靴を緩く履いているせいでできた余計な隙間から土が入り込んでいるのかもしれません。

 

きちんと靴を履いているというお子さんでも、汗をかきやすいお子さんは中敷きの汚れや中敷きが汗を吸って硬くなることがあります。

写真の中敷きように革が黒くなると硬くなり履いた時に当たる感じがする事があります。そういった時は中敷きだけ販売もしていますので、中敷きを交換をすると気持ちよく履けますのでもし気になるときは中敷きの交換もおすすめです。

左:革製の綺麗な中敷き 右:履きこんで汗を吸って黒ずんだ革製の中敷き

 

夏休み中、元気に遊んで汚れが気になったり、時間もあるので靴のお手入れでも…なんて方もいるかもしれません。ぜひ、このブログを参考にしていただければと思います。

また、お子様の靴と一緒に靴のお手入れをするついでに、ご家族皆さまで大人の方も仕事用の靴のかかとの減りなんかをチェックしてみてはいかがでしょうか。 

長くなりましたが、ここまで読んで下ってありがとうございます!

遠出は中々難しいこのご時世ですが、お体にお気をつけて楽しい夏休みをお過ごしください。

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FRODDOの箱の中に書かれているお手入れの文章です

・Froddo shoes are made from quality natural leather of European origin. 

・Shoes are made for dry weather and are maintained with natural shoe cleaning products, soft brushes and damp cloths. If necessary, shoes can be treated with a cream for natural leather.

・TEX labelled shoes have a waterproof membrane and they intended for both dry and wet weather. They are maintained with damp cloths and nourishing creams for cleaning and protecting natural leather. 

・It is not recommended to machine or hand wash shoes made from natural leather as this can damage them. 

・Moisturizing shoe products which penetrate the leather will extend the life of all shoes made from natural leather.

 

 訳の方は分かりやすいよう簡単に訳してありますので、少し正確ではない部分があってもご容赦ください

 

・フロッドの靴は高品質なヨーロッパで生産されたナチュラルレザーを使用しています。

・通常の製品は晴れの日用で柔らかいブラシと湿らせた布といったお手入れ用品で良い状態を維持できます。もし必要な場合はナチュラルレザー用クリームで保湿(ケア)できます。

・TEXのラベルがある靴は防水機能があり、晴れの日でも雨の日で両方の天候に適しています。これらは湿らせた布とナチュラルレザーのクリーニングと保護のための栄養クリームでお手入れできます。

・機械による洗濯や手洗いはナチュラルレザーがダメージを受ける可能性があるので推奨しません。

・レザーに浸透するタイプの靴の保湿用品はナチュラルレザーでできた全ての靴の寿命をのばします。

 

 


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